5月8日 |
2020年(02年) 草刈刃蛙の頭上掠(かす)めけり 広き翅(はね)小さく畳むカブトムシ 露天湯の足裏刺激のイボシート股間を抜けて脳天刺激 泥の手で泥の顔拭く池浚ひ 手強きや水湧き減らぬ池浚ひ 菖蒲湯や心と鼻が若返る 山菜を揃える部屋につんつんと佳き香を放つ行者ニンニク アイヌ葱(ねぎ)食せし夜の深眠り 2019年(31年) 貴重なる命いただく思いあり苦さが少し旬の筍 小さきほど筍旨し人間に譬えて見れば嬰児なれども 2017年(29年) 土鈴から紺の花桐生まれけり 土色の巫女鈴割れて桐の花 2016年(28年) 毟るとき戸惑いありぬ公園のトキワハゼてふ小さきお花 2015年(27年) 里山を間伐しける守人に感謝し登る木漏れ陽の道 2014年(26年) 粉砕機使ひ慣れれば心地よし心の奥まで震はせにける *庭の池の縁を削って、溢れた水が流れるように作業したが、慣れないだけに怖かった。赤いのは錦鯉 ![]() 2013年(25年) 帰りける浦島太郎の心地せり見知る顔無き古里の道 |