剱岳(2999m) トップへ戻る
一語一座=恐ろしい山です。なにより鎖場の下目もくらむほどの谷底がぽっかあり口を開けていることだ。
6月24日25日 18年(06’) たった1人
山頂からのパノラマ
6月末の剣岳に登ってきました。下界は真夏日の日もあったのに、室堂一帯は雪の原でした。無茶はしないようにと自戒しながらも、残り8座ともなると、何が何でもと無理をしてしまいました。恐ろしい山でした。なにより鎖場の下が目もくらむほどの谷底がぽっかあり口を開けていたことだ。しかも、今日はたった一人。だれも登ってこない。どうしよう。やめようか。でも。頂上は目と鼻の先だ。もう10分くらいか。よし、下は一切見ないことにしよう。ロッククライミングは私の描いた「野山をのんびり」プランには無かったはずだったのに・・。
しかし、とうとう登り終えました。もう危険な山はこれが最後だ。ばんざーい。








梅雨時の晴れ間を「皐月晴れ」というのだそうですが、まさにその梅雨時の貴重な晴れ間が土日の休日と重なったので、喜び勇んで出かけてきました。この梅雨時は、晴れが続かないし、先が読みにくいので、いつでも出かけられるようにリュックに荷物を詰めておきました。そして、富山地方の天気予報をインターネットで水曜日あたりから毎日チエックしていました。前の晩、金曜のチエックでは、他の地方は曇りや雨でも、富山の天気は雨10%、やった。決行だ。私の経験では雨10%はは快晴に近い。さて、当日の朝、出発前にも再確認、変わっていない。以前、真夏の立山は経験があるが、春の山は、初めてだ。山小屋の情報では、稜線には雪はないという。うれしい。大丈夫。日本海に高気圧ありだ。勇んで出発した。若返る思いでした。
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剣岳方面は曇り |
ところが、県境のトンネルを何度かくぐっていくと、何と小さな雨粒がフロントガラスを濡らしてではないか。「晴れの日の山登り」を主張している私の立場が崩れてしまうではないか。そうだ、無理をせず、長野県の蓼科・浅間山に方向転換だと糸魚川ICを下車新潟にUターンした。が、それではあまりも軟弱すぎると、能生ICでまたまた、Uターン、立山に向った。
「野山をのんびり」は私の信条であるが、実際は野山をせこせこ歩いている。早くこんな自分から脱却し、信条・信念を全うしたいと願っている。私はカメ。カメはカメの速度で歩いているかぎりさほど疲れない。しかし、カメがウサギとはいかなくとも、ウサギの真似をすると、疲れは何倍にもなる。私はカメ、オリンピック選手のような、ウサギさんのような登山者には惑わされず、自分なりのペースを守ろうと思う。思うだけ・・・。
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立山駅駐車場ケーブルに乗換 |
そんなことを考えていると、立山のケーブル駅にこんな掲示があった。「立山では時計をはずそう」。説明も何も書いてない。
うっかりものの、私は、これを、「自然に浸りきりになりたいとおいでになった皆さんでしょうから、ぜひ時間にとらわれることなく、のんびり過ごしてください」という意味と勘違いしてしました。よし、その精神いただいたと思うそばから、バス発着の時間をメモ帖に記録していました。
「立山では時計をはずそう」の本当の意味は、雷鳥の名前にもあるように、雷が多く落ちるので、金属類ははずしておくことを勧めたキャッチコピー
だそうです。
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雪の壁 |
私は運がいいい。立山は快晴だった。いい旅ができるぞ。
室堂着8時30分。ミクリガ池から雷鳥沢に降りると辺りは一面の雪の原。どこでも歩ける。これが春山の好きな点だ。向かいの別山は大きな雪の壁となって立ちはだかっているが、時間は十分ある。落ち着いて考えてみれば、今日は立山の雄山経由の縦走にすればよかったなあと、また、判断ミスを悔いている。ぐるっと室堂付近を取り巻いた尾根道は、のんびり山歩きにもってこいのなだらかな尾根道が剣御前小屋へと続いている。
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別山乗越 ここを登る |
アイゼンを着けてまず別山の剱御前小屋への登りにかかった。スキーで直登してきたガイジンの若者に追い越される。それでも、昼前には剣御前小屋に着く。泊まりは、少しでも遠くにと、さらにここを下ったところにある剱沢小屋を申し込む。今年一杯剱沢小屋の隣の剱山荘は建て替えのため営業休止だという。
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剣沢小屋前から剣岳・大 |
12時半には剱沢小屋に着いた。目指す剱岳は眼前にそびえている。このまま、登ってしまえないものかと、山小屋に若手に聞いたら、絶対無理、危険だと言う。やむなく昼寝をしたり、山頂を眺めたり、写真を撮ったり、情報を集めながら明日の朝を待つこととする。
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春山に早や白山イチゲ・大 |
剣の花=この時季、白山イチゲが見られた他は、真っ赤な深山イワカガミが少し見かけただけ、花は皆無に近い。
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これから登る? |
私を追い越して行ったガイジンさんは剣沢小屋の前の雪上にテントを張っていた。アメリカとカナダの若者3人で、英語は確かではないが、どうやら今日中に登ってくるんだと言っているようだ。そのままスキーで剣沢を下って行った。平蔵谷を登って頂上を目指すという。彼らなら今日中に戻れるだろうと思った。(早いの一人は夕方の5時に戻り、6時ころには3人とも無事に戻っていた)
3時半ころ、その日の朝3時半でかけられた千葉県の御夫婦が帰って来られた。所要時間は12時間。行きは平蔵谷、10時頃着。戻りは尾根道コースだったという。アイゼン、ピッケルはもちろんのこと、ザイル、ヘルメットなどの完全な装備スタイルに圧倒される。
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ピッケルと剱沢小屋方面 |
費用 自家用車 高速4700円×2 立山〜室堂バス往復切符4800円 自家用は早くて安いが、ガソリン代がプラスされる。
1日目
○自宅3:30発〜〜7:00立山駅7:17〜室堂8:40・・・別山乗越、剣御前小屋、昼食・・・・12:30剣沢小屋 宿泊
2日目
○起床2:30 小屋3:30・・・・・一服剣岳・・5:47前剣岳・・・・7:10剣岳7:23・・・・平蔵コル平蔵谷雪渓下る・・・・大岩合流点8:40・・・剣沢雪渓を登る・・剣沢小屋10:30・・・剣御前小屋11:40昼食・・・剣沢・・・・ミクリガ池 身づくろい・・13:40室堂14:20・・・15:10ケーブル15:20〜〜15:40駐車場16:00〜19:00家
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別のアクセス 電車を利用した場合
始発で行って、翌日、終電で帰れます。
交通費は、5060円×2=10120円 室堂までバス往復切符4800円(JR3890プラス電鉄富山1170円)
行き:新津5:36〜6:31長岡〜直江津〜10:07富山10:30〜11:28立山〜13:30室堂着(特急で行くと室堂に14:10着)
帰り:室堂17:00〜18:07立山18:08〜19:07富山19:13〜直江津〜21:11長岡21:11〜23:55新津 |
「・大」は大きくなります
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剣岳方面は曇り |
有峰口との分岐 駅あり |
立山駅駐車場ケーブルに乗換 |
阿弥陀が原 |
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雪の壁 |
雷鳥沢のスキー場 |
別山乗越 ここを登る |
別山乗越から室堂方面・大 |
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春山に早や白山イチゲ・大 |
別山乗越から大日岳方面・大 |
別山乗越から剣岳方面・大 |
剣沢 カナダの若者たち・大 |
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剣沢小屋前から剣岳・大 |
箸の下の小皿が行者ニンニク |
八峰方面 日の出・大 |
平蔵谷を下る・大 |
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山頂でたった1人 |
タテのカニバイ |
平蔵谷底から平蔵のコルを見上げる・大 |
アドバイス
今年は、雪が多かったので、尾根道に雪がかぶっていて、張られたロープがつかえなかったりで、少し難儀させられた。もう1週間もたてば、夏山と同じになる。
・自分が失敗したから言うが、平蔵谷の勾配は半端でない。アイゼンとピッケルは絶対必要。