7月12日

 

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2022年( 4年)   ビル街に青麦揺れる一区画  
         峠道笑みて迎へる合歓の花
         独り居の鄙の庭先合歓の花
         古里の寺に涼あり合歓の花
         藪騒に眉毛を寄せる合歓の花
         夏休み鄙に可惜(あたら)な孫が来る
         人影のごとき羊蹄(ぎしぎし)土手の道
        

2018年(30年) 汝(な)がために刈るにあらねど二番草涼しい顔して既に若薮

2016年(28年)  我ありと存在示す地虫かな
         大地震屁とも思はず鳴く地虫
         脅してもすぐに鳴きだす地虫ゐて見くびられたる寂しさ少し
         脅してもすぐに鳴きだす地虫ゐて思ふに任せぬ此の世を思ふ   
         脅してもすぐに鳴きだす地虫ゐてしばし楽しむ昆虫対話 

2015年(27年) 雨上がり道にお産の赤蜻蛉       

2013年(25年)  これからはなほよく遊び愉しまん生御霊なる六十路の先は        
     
* 数え歳で言えば、私はもう緑寿(66歳)を過ぎている。働かないことの後ろめたさを捨てて生きることにしよう。