８月５日〜１1日　１５年（０３’）南ｱﾙﾌﾟｽ単独　　　　　トップへ戻る
　　塩見・聖・光岳

　塩見岳(3047m)
　　　一山一語＝三伏峠からは、一目で塩見岳だと分かる峻厳な山容が目に入る｡（左の写真）　塩見小屋手前、権右衛門山のシラビソ原生林の巻き道は気持ちよい｡
　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　 ５日　朝３時発〜６H〜９時　長野県松川ICまでは予定通り３時間ほどで到着したが、日本国中に町や村があり、「塩川」の登山口を見つけるのに苦労して、９時やっと着いた。その上、財布がドアーポケットにひかかっているのに気付かずに探したりで、１０時１５分登山開始した。１２時頃から雨・・・５時間ほどかかって、１５時３０分三伏峠小屋着・名前のとおりの峠の林の中にあった・素泊まり者はちょっと粗末な別棟に案内される。改築中で大工さんと一緒の泊まりとなる｡

　注　登山口は「塩川土場」という。狭い林道だが、７，８月はそこまでバスが入っている。しかし、私のようにマイカー利用者は「鳥倉登山口」の方が登山時間が短くて便利。�拓�
　 　６日　朝４時１５分　サブザックで出発・・・３H・・塩見岳・・・２H・・１０時三伏峠小屋戻って，さらに下山発・・・１６時「塩川土場」の草地の駐車場に着く、大学生の５人ほどがテントを張ろうとしていた｡車で、ナビに従わずに南信濃村「上島」を目指したら地蔵峠（秋葉道）というとんでもない高いところを走ることになった。１時間もかかってやっと「上島」に着く、登山口方面への入り口を確かめてから「かぐらの湯」に入りに行く｡そこで夕食を摂り８時頃でて、その夜は国道１５２号線脇で愛車カペラ号に泊まる｡


　　 ７日　朝５時起床、自炊・・・７時「易老渡」の橋の前を通って、さらに２ｋｍ奥の「便りが島」の登山口に着く、国道の入り口からなんと２２ｋｍも奥まったところ｡　７時１５分頃、すぐに出発、廃道となった道を１時間歩くと西沢渡に着く｡ここからが本格的な登りとなる｡荷物を渡すロープが張ってあった。今日も１１時頃から雨となる｡急登の連続、不整備の山道、標識も少ない。今何合目あたりか分からず苦労した｡　７H３０Mの予定のところ６時間ほどで、１３時３０分聖平小屋に着く。泊7500
　注　私が参考にしている「日本百名山を登る」という本によると聖平と茶臼小屋は「素泊まりのみ」と書いてあるのを、登山途中で見つけて青くなってしまった。食料は２食分くらいしか持ってきてなかったからだ。昼飯はパンを少しかじるだけにして、聖平小屋に向かった。しかし、それは５年程前までのことであった。新しい情報の本を買いましょう。



　聖岳　　
一山一語＝ダケブキの見事なお花畠（上左の写真）。聖岳は西峰と東峰の吊り橋の姿が美しい｡
（写真はクリックしてご覧ください）

　　　８日　サブザックで出発、あいにくの雨模様の中、聖岳を目指す。　朝５時１５分・・２H３０M・・・７時３７分聖岳着・・・２H・・９時３０分　聖平小屋に戻る。小屋のテントの中で昼飯食べて９時４５分本格的な雨模様の中，再出発・2.5Ｈ・・上河内岳・・・1.5H・・１４時００分茶臼小屋着・泊7500　
　注　雨の中を４時間以上も歩いたので，体が冷え切っていて濡れていないシャツなどに着替えたのだが，一向に体が温まらなかった。歩いている時はその活動の熱で，寒さに耐えられていたのだが，小屋に入ってシューラーフにもぐったが寒くてしょうがなかった。酒を飲んでストーブで暖をとったらやっと落ち着いた。ここで、新田次郎作「聖職の碑」という本の中の「駒ヶ根」の少年たちの遭難のことを思い出した。真夏なら凍え死ぬことはないと考えていたが、あの本でそれが誤りであると知り，今回身をもって凍え死ぬほどの寒さを経験した。あの本は涙をぽろぽろ流しながら読んだ。この少年たちのうち誰が死んでしまうんだろう。校長はどうなるだろう。そうだ、ここで逃げ出したりしたら，そんな青年団員は村八部にあうぞ、そんな奴は村に帰っても嫁さんももらえないぞというあたりはそうだそうだと納得した。教職にあるものの責任、教育上の登山の意義などいろいろと考えさせられた。４０年ほど前までは中学校にも山岳部というのがあったが、今はほとんど無くなっている。子供らにとっては、野球やサッカーバスケットボールの方が楽しいに決まっているからだろう。その上，それらのスポーツは人間関係も養ってくれる。ただ、どうだろう、自分と向き合うという面では登山は良いかと思う。


　　９日も台風に遭い，一日中寝ている。茶臼小屋にもう一泊



　光岳
　　一山一語＝光小屋周辺の緩やか広がりの中の山小屋が印象的、テカリ岳は何の変哲も無いが、反対側のイザルが岳（写真無し）が美しい｡
写真をクリックして○の部分をご覧ください。○の部分が光石と言われる所です。


　１０日　零時ころ空に星明りが見えてきた。予想通り台風一過の快晴になりそうだった。朝４時３０分出発・この４日間見えなかった富士山がその秀麗な姿を現してきた。茶臼岳頂上・・易老岳・・・光小屋光岳・・易老岳・・・面平・・・１５時４５分「易老渡」着　全１１時間の徒歩
　疲労困憊で歩きだした私の眼前に、下山中に聞いていた土砂崩れの現場が見えてきた。土砂というよりでっかい石ころが道を幅１０ｍにわたって遮断している。こんなところが何箇所も起き、この３日間、道路は交通止め状態ということを聞いた。京都ナンバーの１台の人はすぐには帰れないとあきらめて、京都に帰って、お盆に車を取りにくるということである。私は，すぐに車に飛び乗って次の木曾駒・空木岳を目指していたのが頓挫してしまった。登ってくる人に聞くとあと１週間はかかるだろうなどという人もいる。車が動けず聖光小屋に素泊まりとなる4000円


　　１１日
　朝２時間ほど掛けてユンボの動いている場所まで確かめに行って見る。大きな土砂崩れが５箇所。大変な力持ちの機械である。でもそれ以上に土砂崩れも大きい。１箇所１時間としても今日中はやっぱり無理かと落胆して戻る。洗濯などをした後，昼間から自棄酒をくらって裸のまま寝転がった。１０００ｍの標高があるので太陽もさほど熱く感じない。そのまままうとうと寝てしまった。

　　　



今回の出費(台風１０号に遭って、予定外の出費となる）